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Vol.8 プリンのかたさと流行について

執筆:川村 泰司(おいしさ科学館館長)

Vol.8 プリンのかたさと流行について

昔から親しまれている定番商品の中には、ずっと同じ製法で作られるものもありますが、消費者により好まれるよう、味や香り、食感などを少しずつ改良されているものも少なくありません。

プリンについてはどうでしょうか?
昔ながらのプリンは、卵のたんぱく質の凝固力によって固める、しっかりしたかたい食感のものが主流でしたが、最近ではクリームリッチな、とろとろした食感のプリンも多く見られるようになりました。現代では全般的に、より柔らかい食感が好まれる傾向があるようで、これはプリンにも当てはまるのかもしれません。

コンビニやスーパーでよく見かけるゲル化剤で固めたプリンや卵を使った蒸プリンなどの定番プリンも、食感が変わっているのではないでしょうか?
おいしさ科学館では、定期的にプリンのかたさ(破断応力)と弾力(破断変形)を数値化しています。この数値データをもとに年ごとの食感の違いを比較しました。販売されている商品は容器が全て異なりますので、厳密に相対評価をすることは出来ませんが、大まかに時代の流れを掴む程度でグラフを見ていただければと思います。
下は4つの定番商品の2006年から2009年のデータを比較したものです。
2次元のグラフから、定番商品はより柔らかく、弾力が弱い、とろとろした食感の方向に変化していることが分かります。このことから、定番のプリンも、食感がより柔らかくなるよう、少しずつ変化していると考えられます。

主観ですが、デザートはバリエーションが広がり、昨年は「ぷるぷる」や「もちもち」などのキーワードで販売されたデザートが多くありました。今後はどのような食感が好まれていくのでしょうか?

Vol.8 プリンのかたさと流行について

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