冷え性改善効果をお茶の成分L-テアニンに期待!?
冬場の「冷え」は当たり前ですが、夏でも冷房のひんやり感が苦手な方などは「室内で長袖で過ごしている」という方も多いのではないでしょうか?昔はシーズンものであったショウガなどの「体を温める」食品が夏場でも販売されていることからも、年中「冷え」への対応策が求められ、「温活」と称される市場は通年でニーズがあることが伺えます。
冷え性の原因は様々ですが、ストレスもその一つであると言われています。
太陽化学では、緑茶に含まれるアミノ酸「L-テアニン」に冷え性を改善する効果が期待されることを第61回日本栄養・食糧学会大会にて発表しました。
自律神経と冷え性
冷え性は、末梢血管に血行障害が起こる症状です。
体温調節や血管の働きは自律神経によってコントロールされており、自律神経は交感神経と副交感神経に分類されます。
人が、ストレスを感じるなど緊張状態にある時は交感神経の活動が亢進し、末梢血管が収縮します。そのため、血行が阻害され手や足などに冷えを感じます。
また、夏場のクーラーが効いた室内と、高い気温の屋外との温度差により自律神経のバランスが崩れ、体温調節機能が低下すると体の冷え、肩こり、頭痛などの体調不良が起きてきます。冷房が原因とされるこれらの症状は「冷房病」とよばれています。
L-テアニンの冷え性改善効果について
今回の研究では自律神経系を指標として「L-テアニン」の冷え性改善効果を検証するため20~40代の健常成人を対象とした偽剤(プラセボ)をコントロールとしたクロスオーバー・ダブルブラインド形式で行い、掌を1分間10℃の氷水に浸け(冷水負荷)、サーモグラフィーにより冷水負荷後の掌指先部の皮膚表面温度推移を測定し、冷水負荷前に対する回復率をみました。「L-テアニン」は冷水負荷40分前に服用してもらいました。また、同時に心拍による自律神経活動についても検証しました。
その結果、テアニンを摂取した群では冷水負荷後の皮膚表面温度の回復が早いことが確認されました。また自律神経系においては、「L-テアニン」を摂取することにより、冷水負荷後の交感神経活動が低下し、副交感神経活動が活発になりました。
「L-テアニン」を摂取すると交感神経系が抑制され、末梢血管が拡張することにより血流が良くなり、皮膚表面温度の回復が早くなったと考えられます。このことから「L-テアニン」は末梢血管の血行障害である冷え性の改善に有効である事が期待されます。
(2018年5月)