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「便秘対策」だけじゃない腸の健康へのアプローチ!
~ダブルの方向からお腹の調子を整える機能性表示対応素材「グアーガム分解物」~

腸の健康をベースに全身の健康を整えて“ウェルビーイング”を実現しようと「腸活」に取り組む人が着実に増加しています。最近では、腸内環境が便秘だけではなく全身の健康を司ることが明らかになりつつあり、「脳腸相関」「リーキーガット*」「腸管免疫」などの言葉も知られるようになってきています。

ひと昔まえは「お腹の調子」といえば「便秘」を真っ先に想起するものでしたが、最近では「ガスがたまる」「便がゆるい」なども解決すべき問題として捉えられています。これは「腸の健康を意識した生活」を実践することで、よりQOLの高い生活に近づく可能性を感じる方が増えているからでしょう。

一方で、腸活素材として活用されているビフィズス菌などの「プロバイオティクス」や水溶性食物繊維などの「プレバイオティクス」の多くが「便通改善」を訴求しており、その他の腸の不調にアプローチするものは多くありません。

最近では、「軟便」も便秘に並ぶお腹の悩みとして認識されています。本記事では「便秘気味の方」だけではなく「やや軟らかめの便」の改善機能を有し、便をより正常な形に近づけることが期待できる水溶性食物繊維「グアーガム分解物」を、そのメカニズムとともにご紹介致します。

リーキーガット* :腸管上皮細胞によるバリア機能が低下することで、本来は生体内に入ってこないはずの腸管内の成分が生体内に漏れ出てしまう現象のこと。Leaky-gut(漏れる腸)と呼ばれ、身体への悪影響が懸念されています。

短鎖脂肪酸産生促進が腸内環境を健常に維持し、「便秘」と「やや軟らかめの便」のどちらも改善

グアーガム分解物には、【便秘気味の方のお通じ改善】と【下痢※になりやすい方のお腹の調子を整える】両方の機能が報告されています!

一般に、お通じに良いとされる食物繊維ですが、ひと括りに言ってもその種類は様々で、便通改善の作用も同一ではありません。
グアーガム分解物には便秘気味の方のお通じ改善に加えてやや軟らかめの便の改善作用も報告されている特徴的な食物繊維です。そのカギとなるのは徐々に名前が知られてきた「短鎖脂肪酸」です。「短鎖脂肪酸」とは食物繊維やオリゴ糖などを腸内細菌が発酵してつくる酢酸・プロピオン酸・酪酸などの有機酸で、大腸の細胞の主要なエネルギー源であり、腸内環境を健常に保つために必須の成分です。短鎖脂肪酸は腸の蠕動運動を促し便秘を改善する一方、消化管から体内への水分吸収を促進して下痢を改善する作用もあります。

グアーガム分解物には、【便秘気味の方のお通じ改善】と【下痢※になりやすい方のお腹の調子を整える】両方の機能が報告されています!

グアーガム分解物は、インドで古くから食べられてきた野菜である「グァー豆」を酵素分解して作られたナチュラルイメージの水溶性食物繊維です。グアーガム分解物は、腸内で短鎖脂肪酸を産生促進する能力に優れているため、腸内環境を健常に維持し、便秘気味の方のお通じもやや軟らかめの便もどちらも改善する作用があります。

【便秘気味の方のお通じ改善】機能

便秘傾向*の成人男女50名(20~49歳)に、グアーガム分解物(食物繊維として)5.2g/日、2週間摂取させたところ、プラセボ群と比べて、排便回数変化量や排便量変化量が有意に大きくなりました。

 *一週間における排便日数が3日から5日で排便回数が3回以上5回以下の者

グアーガム分解物の【便秘気味の方のお通じ改善】機能

※排便量は、鶏卵1個(Mサイズ:φ45xH60)大の模型を配布し、模型と比較した個数を目測により測定
* p<0.05、** p<0.01

被験者:便秘傾向健常者* (男女50名、20歳以上50歳未満)
試験デザイン:二重盲検クロスオーバー試験
摂取量:グアーガム分解物(食物繊維) 5.2g/日
摂取期間:2週間
評価項目:排便回数、便の量、便の形状、便のにおい、便の色、排便後の感覚、胃腸症状
中川致之ら、健康・栄養食品研究(2008年、11号、2巻、1-14ページ)より作図

腸内環境を良好に導き、短鎖脂肪酸の生成促進も報告されています

腸内フローラが有用菌優位になると、腸の蠕動運動を促す短鎖脂肪酸が産生され、便通改善作用があることが知られています。グアーガム分解物を摂取したヒトの便を分析して腸内フローラを解析した結果、ビフィズス菌や酪酸産生菌といった有用菌が有意に増加しました。また、他の研究で、ヒトの糞便にグアーガム分解物を添加して培養すると、短鎖脂肪酸の産生が有意に促進されることも報告されています。

【ビフィズス菌を増やして腸内環境を良くする】機能

グアーガム分解物を摂取したヒトの便中の腸内フローラを網羅的に解析した結果、ビフィズス菌が有意に増加することが明らかになりました。

グアーガム分解物の【便秘気味の方のお通じ改善】機能

被験者:下痢傾向健常者* (日本人男女44名、 41.96.3歳)
試験デザイン:二重盲験並行群間試験
摂取量:グアーガム分解物(食物繊維) 3.5g/日
摂取期間:12週間
評価項目:便性状 (ブリストルスケール)、排便回数、腸内細菌叢(16S rRNAメタゲノム解析)
*毎週最低7回の排便で、その排便の50%を超える分がブリストルスケールで5-6点を示す
Yasukawa Z, et al., Nutrients. 2019 Sep 10;11(9). pii:E2170 より作図

【やや軟らかめの便を改善してお腹の調子を整える】機能

下痢傾向のある健常者グループにグアーガム分解物を摂取させたところ、ブリストル便スケールを用いて評価した便形状が有意に変化し、普通便に近づきました。ブリストル便スケールとは、便の形状を1(硬くてコロコロした便)~7(液体状)段階に分けて評価するものです。ブリストルスケールの5がやや軟らかめの便、4が普通便とされています。

グアーガム分解物の【便秘気味の方のお通じ改善】機能

被験者:下痢傾向健常者* (日本人男女44名、 41.96.3歳)
試験デザイン:二重盲験並行群間試験
グアーガム分解物(食物繊維): 3.5g/日
摂取期間:12週間
評価項目:便性状 (ブリストルスケール)、排便回数、腸内細菌叢(16S rRNAメタゲノム解析)
*毎週最低7回の排便で、その排便の50%を超える分がブリストルスケールで5-6点を示す
Yasukawa Z, et al., Nutrients. 2019 Sep 10;11(9). pii:E2170 より作図

便形状変化の理由は“短鎖脂肪酸産生促進”と“腸管内の通過時間への作用”

便は消化管を移動する間に水分が消化管から体内に吸収され、次第に固形化しますが、腸の移動時間が早すぎたり、何らかの要因で水分吸収が阻害されたりすると水様便や軟らかい便になってしまいます。

グア―ガム分解物が大腸に入ると、腸内細菌により資化され短鎖脂肪酸が産生されます。短鎖脂肪酸は腸上皮細胞のエネルギー源となって腸粘膜の萎縮や損傷を回復することが知られ、腸の活動(蠕動運動)にも深く関わっています。これに加え、グアーガム分解物そのものに、腸内容物の移動速度に関わり、腸から体内に吸収される水分移行を適度に調整することで、普通便に近づけるのではないかと考えられます。

機能性表示食品受理事例(SRのご提供も可能です)

本記事にてご紹介の「グアーガム分解物(食物繊維)」を機能性関与成分とした機能性表示食品をご検討の方には、システマティックレビュー(SR)のご提供も可能です。
実際に以下の文言での届出を行っており、受理実績がございます。
  ※消費者庁の受理方針が変わることもあり、申請時に訴求する機能性の文言に修正が必要な可能性もございます。

【表示しようとする機能性】

本品にはグアーガム分解物(食物繊維)が含まれます。
グアーガム分解物(食物繊維)は、腸まで届きビフィズス菌を増やして腸内環境を良好にすることが報告されています。
グアーガム分解物(食物繊維)は、やや軟らかめの便を改善しておなかの調子を整える機能が報告されています。
グアーガム分解物(食物繊維)は、便秘気味の方のお通じを改善する機能が報告されています。

(2022年12月)

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