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みんな大好き “麺”ビギナーズ

麺の歴史

日本で初めてめんが作られたのは、なんと今から1200年前の奈良時代まで遡るそうです。奈良時代の日本は、唐との文化交流が活発に行われており、なかでも唐菓子(からくわし)と呼ばれる儀式用の供え物が唐から数多く輸入されていました。その中に、現在でいうそうめんの原型である索餅(むぎなわ)も含まれており、国内で最も広く普及し、一般に親しまれていたのがめんの始まりです。
ご存知のように長きにわたり、麺は多くの人に親しまれています。食料用小麦の需要量からみても麺用の小麦はパン用よりも多く消費されており、全体の小麦使用量の30%以上もあります。(農林水産省調べ)
麺類は、小麦粉、水、食塩(場合によってはかんすい)だけで簡単に作ることが出来ます。本来、麺は茹でてすぐに食べるのが一般的ですが、現代では消費者のニーズの変化も相まって商品形態が多様化してきています。たとえばコンビニエンスストアに陳列された調理麺はラーメン、うどん、蕎麦だけでなく、最近では本格的な生パスタなども並んでいます。
いろいろな種類の麺が抱える課題として消費者が喫食するまでの経過時間の違いがあります。そこでおいしく食べられるようにする工夫が必要となっています。製造後、時間が経過してもおいしく食べていただく為には麺にでんぷんや鶏卵素材、増粘多糖類、乳化剤などの副資材を加えることも工夫のひとつです。
今回は、麺の一般的な種類、工程と麺質改良剤について、ご説明いたします。

製法の違いによる麺の種類と工程

製法の違いによる麺の種類と工程

めん製造の基本工程

図に示しましたように、めん製造の基本工程は、ミキシングから麺線の切り出しまでであることがわかります。基本工程より後の加工方法により、様々な種類のめんが作られています。ここでは、めん製造の基本工程について簡単にご説明いたします。
基本工程における「ミキシング」とは、混捏とも呼ばれ、小麦粉と水を合わせて練る工程です。文字通り、この工程は混ぜる意味と捏ねる意味の両方があり、これにより小麦粉と水が均一に混ざり合い、生地の骨格をしっかりと作り出すことができます。

次に、複合工程についてご説明します。「複合」とは、ミキシングによりできあがった生地の塊を、二つのロールの間に流し込み、一つの帯状につながった生地にします。これをめんの帯、麺帯と呼んでいます。このようにしてできた麺帯を重ね合わせ、もう一度ロールへ送り込む工程を「複合」と呼びます。一度、ロールを通すだけでは、生地の形成が不十分であり、おいしいめんができない為、複合工程は重要です。
複合工程の後は、生地を延ばす「圧延」と呼ばれる工程に移ります。圧延工程では、麺帯を一度に所定の厚みにまで圧延せず、数回に分けて圧延することがポイントです。複数回に分けることにより、麺帯に無理な付加をかけずに、生地を延ばすことができます。
最後に、麺の「切り出し」工程です。延ばされた麺帯は切刃によって麺線として切り出されます。切刃の種類はめんの種類などによって様々で、切刃の種類によりめんの食感に大きな違いがうまれます。
以上のように、基本工程は、一見シンプルに見えますが、その内容がめんの品質全てがかかっているといっても過言ではないほど重要な工程です。

めんの種類

めんの種類は、基本工程後の加工方法によって異なります。その加工方法には大きく分けて、「茹でる」「蒸す」「乾燥する」の3つに大別することができます。
めんを茹でた後に、水洗、冷却し、包装したものがコンビニやスーパーなどでよく陳列されている調理麺、茹でた後すぐに冷凍したものを冷凍麺と呼びます。また、袋に入った焼きそばなどの茹でる代わりに蒸したものを蒸しめんと呼びます。また、蒸した後、油で揚げる、もしくは熱風により乾燥されると、カップ麺に代表される即席麺と呼ばれます。
以上のように、現代では人々のライフスタイルに合わせ、多様な加工方法により様々な種類のめん類が製造されています。

麺質改良剤の役割とは・・・「伸び」の解消!

長年、麺が親しみ続けられている中で、未だ解決できていない課題として、「麺が伸びる」ということがあります。この課題は、麺業界において永遠のテーマであり、かつ最大の課題といえます。
さて、麺の伸びを語る前に、まず麺の「コシ」についてご説明いたします。
麺を食べる時においしさを感じるポイントはどこですか?と聞かれたときに大抵の人は、「コシのある麺がおいしい」と答えるでしょう。麺の主原料である小麦粉と水をこねあわせることにより、「グルテン」という非常に粘弾性の強い、小麦粉特有の物質が形成し、それにより麺に弾力のある強いコシがうまれます。このグルテン構造を補強し、麺のコシを強化するものに鶏卵素材や増粘多糖類が利用されています。
次に、「麺が伸びる」とは、厳密に言うと2種類に分けることができ、一つは生めんなど、茹でられた麺がスープやつゆの中で経時的にコシが無くなっていく現象のことであり、これを「湯伸び」と呼びます。もう一つは、調理麺や、チルド麺などで、茹でられた麺が保管中にコシがなくなっていく現象を「茹伸び」と呼びます。これら2つを総じて「麺が伸びる」といいます。
太陽化学では、生麺はもちろんのこと、調理麺や、即席麺に対して湯伸びを抑制する麺質改良剤をご提案しています。

麺の多様化による新たな課題

麺が多種多様化してきた中で、新たな課題もでてきています。

調理麺での課題

例えば、コンビニやスーパーなどでよくみかける冷やし中華や袋に入って陳列されているチルド麺は、実は麺が最も弱い温度帯です。
その理由の一つに「澱粉の老化」というものがあります。澱粉の老化とは、加熱により糊化、ゲル化した澱粉は、放冷、時間経過とともに保水性を失い、水が表面に遊離してきます。この状態を老化とよび、麺において、澱粉の老化が麺の食感へ悪影響を及ぼすとされています。一般的に澱粉の老化は、2~4℃の温度帯で進行しやすく、これはコンビニやスーパーで陳列されているチルド帯の商品にあてはまります。澱粉が老化すると、麺はコシがなくなり、ぼそぼそとした食感になってしまいます。

即席麺での課題

もう一つの例として、カップ麺や、袋入りのインスタントラーメンがあります。これらの麺は、油で揚げて乾燥したり、熱風により高温乾燥することで長期間の保存ができるようになったり、お湯を注ぐだけで喫食できたりというメリットがあります。その反面、麺のほぐれが悪くなったり、湯戻りが悪かったりと、新たな課題もうまれてきています。

このような課題を解決する為に、当社は、鶏卵素材や、増粘多糖類などの麺質改良剤をご提案しています。

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