化粧品・化成品のここちよさ
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オイルの特徴を活かした心地よい感覚のヘアケア製品を作りたい!
自然派化粧品の市場は大きく伸長しており、ヨーロッパを中心に日本国内でも天然系原料の使用を訴求した商品は増加しています。特に自然派化粧品をイメージさせる植物油はそれ自体のヘアケア効果も高く、イメージも良いため、商品設計に利用したい素材のひとつではないでしょうか。しかしながら植物オイル等の素材のみでは、剤を設計した場合、特徴を活かし切れない時があります。例えば、アンズ油は、それ自身、毛髪によく馴染みさらっとした感覚を持つオイルですが、剤型では粘度や洗浄時の起泡力の低下を引き起こしてしまいます。これでは、素材の良さを活かせず勿体ないですよね。
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ナチュラル・オーガニック志向が高まる中、低刺激で安全性が高く優しく泡立つ洗浄料を作りたい!
洗顔・身体洗浄料、シャンプーなど洗浄料全般には、当然、「汚れがよく落ちる」ための起泡力・洗浄力が求められます。一方、近年では肌への優しさも商品選択基準となり、その刺激性・安全性にも配慮した製品設計にする必要があるでしょう。また、石けんをベースとする洗浄料では、金属生成による機能低下も懸念材料となります。優しく泡立たせ、爽快な洗浄料を設計したいですよね。
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クレンジング力は勿論、使用後の肌感触も良好なクレンジング剤を作りたい!
「こすらなくても」や「水に濡れた手でも」など、クレンジング剤では「汚れと落とす力」の高機能化が進んでいます。毛穴の汚れもしっかり落としたいですが、クレンジング後の肌感触も気にしたいところです。この高機能化のカギになるのは界面活性剤です。また、年齢層やニーズに合わせ、高い安全性をふまえつつも幅広い剤型での設計を考えた場合には、従来の界面活性剤では、化粧崩れしにくいことを売りにしたマスカラなどのしつこい汚れが落ち難い懸念材料がありました。
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「植物由来」のコンセプトを崩すことなくフィラーを分散させたい
環境配慮への高まりにより、化成品の原料にも植物などの再生可能な資源由来の素材が望まれています。一方で、植物由来の樹脂自体は増えるものの、その性質には製造上そして最終的に成型した際にも多くの課題がありました。製造上の課題のひとつとして挙げられるのは、樹脂の改質のためにフィラーを添加すると、フィラー同士が凝集して分散性不良が生じるということです。フィラーの添加量が高ければその傾向も強く、最終的に成形不良や物性低下を引き起こす原因となります。