TMPSとは
構造
TMPS(TaiyoKagaku Meso Porous Silicas)は、界面活性剤のミセルを鋳型として合成される、ハニカム(蜂の巣)状の均一なメソポアを有するシリカ多孔体(メソポーラスシリカ)です。
TMPSは大きな比表面積(?1300 m2/g)と細孔容積(?1 cm3/g)を有します。
太陽化学は独自の界面制御技術を活かし、業界に先駆けてメソポーラスシリカの量産技術を確立しました。
- メソポーラスシリカは、1988年に早稲田大学 黒田教授らのグループによる発見に基づき、早稲田大学および株式会社豊田中央研究所の共同研究により初めて合成された材料です。
- メソポアとは、細孔直径が2?50 nmの微細な細孔を指します。
合成法
TMPSは、界面活性剤が水溶液中でミセル(分子集合体)を形成し、これを鋳型として得られる複合体を経た後、界面活性剤を除去し合成されます。 TMPSは、界面活性剤の選択や調製条件によって細孔直径を精密に制御することが可能です。
種類
測定値例 | 平均細孔直径*1 | 比表面積*2 | 細孔容積*3 |
---|---|---|---|
average pore diameter |
specific surface area |
pore volume | |
TMPS-4R | 3.9 nm | 920.9 m2/g | 0.89 cm3/g |
TMPS-2 | 2.2 nm | 873.8 m2/g | 0.41 cm3/g |
この他のTMPSも調製可能です。
- 1 BJH法
- 2 BET法
- 3 αs 法
受賞履歴
平成16年度 一般社団法人 日本ファインセラミックス協会技術振興賞受賞
<株式会社豊田中央研究所と連名>
『メソポーラスシリカの工業生産の確立と機能性有機物ナノハイブリッド材料』
nano tech 2008 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議
『nano tech 大賞2008 <材料・素材部門>』
【受賞理由】
「メソポーラスシリカ」は1.5 nmから7 nmの超微細なハニカム構造のメソポアを0.4 nmピッチ可変で孔径制御した材料。空孔に白金を埋めれば常温で高い触媒機能を発現するといった、大きな可能性を持つ。今春、世界初となる年産20トンの実証プラントを立ち上げることを高く賞された。
平成21年 一般社団法人 大阪工研協会 第59回 工業技術賞受賞
『規則性ナノ多孔体「メソポーラスシリカ」の開発と工業化』