【第3回】食物繊維でメタボ予防!
生活習慣病予防は肥満予防から
メタボリックシンドロームはいまや男女問わずほとんどの人が気にしている健康問題です。メタボの状態をそのままにしておくと、命にかかわる病気のリスクが高まります。メタボと密接に関係した生活習慣病には、糖尿病、脂質異常症、高血圧症などがあります。これらの疾患は肥満、特に内臓に蓄積した脂肪が犯人であると考えられています。
肥満予防には、脂質の多い食事を控え、食物繊維を取り入れてバランスの取れた食生活を心がけることが有効です。
メタボリックシンドロームの診断基準
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脂質異常
中性脂肪 150mg/dl以上
HDLコレステロール 40mg/dl未満
のいずれかまたは両方 -
高血圧
最高(収縮期血圧)130mmHg以上
最低(拡張期血圧)85mmHg以上
のいずれかまたは両方 -
高血糖
空腹時血糖値110mg/dl以上
以上の3項目のうち、2つ以上あてはまれば、あなたもメタボリックシンドロームです。
メタボリックシンドロームを予防するためには、生活習慣を改善して内臓脂肪を減らすことが重要です。意識して予防を心がけていきましょう。
健康ダイエットのポイント
メタボ予防のため、また健康で美しくあるために、太りすぎずやせすぎない健康ダイエットがおすすめです。あなたの体格を下のグラフでチェックしてみてください。BMI*(体格指数)22が一番病気になりにくい体格と言われています。肥満気味の方は、生活習慣を見直して標準体重を目指しましょう。
*BMI:Body Mass Indexの略。BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
ダイエットを成功させるには、食事・運動・ストレスコントロールのバランスが重要です。
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食事のポイント
健康に美しくダイエットするには、カロリー計算をするだけではうまくいきません。主食、主菜、副菜をバランスよく食べましょう。満腹感をもたらす食物繊維は、食事量のコントロールに役立ちます。キャベツなどビタミンCが豊富な野菜は、やせた後の肌のたるみやしわをフォローしてくれます。積極的に取り入れましょう。
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運動のポイント
適度な運動を続けることで、代謝がアップしてやせやすいカラダ、太りにくいカラダになります。例えばウォーキングでいえば、理想は1日10,000歩。食後に30分間歩くと効果的でしょう。ほかにも、ストレッチやマッサージ、有酸素運動(エアロビクス)など、普段の生活で無理なく続けられるものを選ぶことも重要なポイントです。
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ストレス解消のポイント
ダイエットにはストレス解消も大切です。イライラ解消のためにやけ食いしてしまったり、お酒を飲みすぎてしまうことになっては元も子もありません。ストレスをためすぎないように、ゆっくりお風呂に入ったり、スポーツを楽しんだり、ストレス解消方法にもひと工夫をしておきましょう。
水溶性食物繊維でGI値*もダウン!
食後の急激な血糖値の上昇は、生活習慣病(肥満・糖尿病)を招く要因のひとつです。水溶性食物繊維の中には、食後の血糖値の上昇を穏やかにし、かつ高GI食品のGI値を低下させる働きがあります。つまり、高GI食品だからと我慢していた食品を食べても、その影響が少なくなるということです。これは肥満や血糖値で悩んでいる人には朗報ですね。
*GI値:Glycemic Indexの略で、食品が体内で糖に変化して血糖値が上昇する速さのこと。ブドウ糖を摂取した時の血糖値上昇率を100として相対的に表しています。このGI値が低いほど血糖値の上昇は遅くなり、インスリンの分泌が抑えられ、肥満や糖尿病の予防に役立つと言われています。
インスリン:血液中の糖を細胞内に移動させる際に働くホルモンで、余った糖を脂肪に変えます。
食品の平均GI値の例 | |
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コーンフレーク | 115 |
精白パン | 100 |
じゃがいも(ゆで) | 80 |
精白米(15分間ゆで) | 79 |
オレンジジュース | 67 |
精白スパゲティ(15分間ゆで) | 61 |
りんご | 53 |
ヨーグルト | 52 |
大豆(缶入り) | 22 |
ピーナッツ | 15 |
水溶性食物繊維は、種類によってカロリーが異なります。カロリーの多い水溶性食物繊維ほど大腸で短鎖脂肪酸*が多くでき、腸のエネルギーとして利用されるため、腸全体のメンテナンスにも役立ちます。肥満の予防のためといってカロリーを気にしている方も、水溶性食物繊維に限っては、カロリーのあるものの方が健康や美容によい、ということを知ったうえで、食物繊維を摂ることをオススメします。
*短鎖脂肪酸:酢酸、プロピオン酸、酪酸などの有機酸のこと。善玉菌が増える環境づくりに役立ち、抗炎症作用など優れた生理効果も発揮します。