マグネシウムとは「効果的な摂取について」
マグネシウムの不足・過剰摂取への注意
マグネシウムは筋肉の弛緩、神経細胞への情報伝達に関わるミネラルです。
そのため、栄養不足などによりマグネシウムが不足すると、筋肉の痙攣やこむら返り、頻脈が起きやすくなったり、また精神面では不安感が増大したりするなど、様々な症状を生じます。
表1 マグネシウム不足により現れる症状例
症状 | |
---|---|
神経・筋肉 | 体調不良、筋力低下、こむら返り、痙攣 |
精神・行動 | 抑うつ、注意力散漫、不安 |
循環器 | 頻脈、不整脈 |
消化器 | 腹痛、下痢 |
マグネシウムを過剰摂取した場合、余剰分は尿ないしは下痢として排出されるため通常の場合は過剰症となることはありません。
しかし、腎機能が低下している方はマグネシウムの過剰摂取により高マグネシウム血症を併発しやすく、血圧低下や吐き気、心電図異常などの症状が生じる可能性があるため注意が必要です。
マグネシウムと合わせて摂取すると効果的なビタミン・ミネラル
・ビタミンD
ビタミンDは、日光に当たることで体内で合成されるとともに、魚類やキノコ類を食べることで摂取できます。
ビタミンDの摂取でマグネシウム吸収が増加することが研究により示されています。
また、ビタミンDがマグネシウムの働きにより活性化されてカルシウムの吸収を促進し、骨の成長を促進したり血中カルシウム濃度を調整することが知られています。
・カルシウム
カルシウムはマグネシウムとともに骨の形成や筋肉の収縮・弛緩に関わるミネラルです。そのため、摂取したマグネシウムが効果を発揮するためには、カルシウムを併せて摂ることが効果的とされています。
ただし、カルシウムを過剰に摂取するとマグネシウムの吸収が阻害されるため、サプリメント等を使用する際には注意が必要です。
マグネシウムの食品への展開における問題点
食品添加物として使用可能なマグネシウム強化剤には以下のようなものがあります。
〇水溶性
硫酸マグネシウム
塩化マグネシウム
水酸化マグネシウム
グルタミン酸マグネシウム
〇不溶性
炭酸マグネシウム
ケイ酸マグネシウム
酸化マグネシウム
第三リン酸マグネシウム
ステアリン酸マグネシウム
マグネシウム強化飲食品やサプリメントを製造するときには上記のようなマグネシウム強化剤を添加しますが、製品の設計において様々な問題が生じる場合があります。
例えば、水溶性のマグネシウムには口に含むと苦味を感じ、また溶液中のたんぱく質等とよく反応し沈殿を形成するという問題点があります。また、不溶性のマグネシウムには風味や反応性の問題はありませんが、水に分散しにくいという問題点があります。
〈参考文献〉
マグネシウムの栄養生理学的重要性 太田篤胤 化学と生物 46巻(2008)10号
『マグネシウムの働きと1日の摂取量』 健康長寿ネット
https://www.tyojyu.or.jp/net/
食品添加物一覧 日本食品添加物協会
https://www.jafaa.or.jp/tenkabutsu01/tenkaichiran
マグネシウムの基礎と臨床 日常診療および周術期における役割 外 須美夫
真興交易㈱医書出版部 2005年
Role of Magnesium in Vitamin D Activation and Function
Anne M. U., Mohammed S R. (2018)
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