第4回「良質なタンパクはたまごから!量と質に優れたたまごタンパク」
「たまごは一日一個まで」は過去の話
「たまごは一日一個まで」と思われている方が多いのではないでしょうか?この考えは、厚生労働省から発表されている日本人の食事摂取基準において、2004年にコレステロールの目標量上限が定められたことが要因です。卵に多く含有されるコレステロールは過剰摂取により脳卒中や心疾患になり易くなる、ということがこの上限の設定の背景でしたが、ヒトではたまごの摂取量とそれら疾患に相関がないことが新たに示されたため、コレステロールの目標値は2015年に無くなりました。したがって、たまごは一日一個まで、と我慢する必要はありません。それどころか、たまごにはヒトが一日に必要な栄養素のほぼ全てを含んでおり(食物繊維、ビタミンCを除く)、特に多く含まれているタンパク質は、たまご2個で成人が一日に必要な量の30%以上を摂取することが可能です。
たまごのタンパク質
タンパク質の優良性を示す数値として、アミノ酸スコアがあります。アミノ酸スコアは必須アミノ酸等の含有率を数値化したもので、たまごのタンパク質を基準100として定められたものです。たまごには、含硫アミノ酸が特に多く含まれており、卵白のみならず卵黄にもタンパク質が多く含まれているのが特徴です。とはいえ、牛乳や大豆などのようにアミノ酸スコア100の食品は多くあるため、何からタンパク質を摂取するのが体にいいのか、これだけでは判断しきれません。
更に進んだタンパク質の化学的評価としてPDCAAS:タンパク質消化吸収率補正アミノ酸スコアがあります。PDCAASは実際に消化吸収され体内で使用される割合を換算したもので、最大1.00まで数値化されています。さらに、最近ではDIAAS:消化性必須アミノ酸スコアという指標が登場しており、1.00までしか数値化できなかったPDCAASの課題を解決した最新指標として活用されています。
このようにタンパク質の栄養価評価には様々な指標がありますが、たまごや牛乳を始めとした動物性タンパク質は評価系によらず総じてスコアが高く、タンパク摂取源としては適していると考えられます。
アミノ酸スコア
食品 | アミノ酸スコア |
---|---|
卵 | 100 |
牛乳 | 100 |
牛肉・豚肉・鶏肉 | 100 |
魚類 | 100 |
大豆 | 100 |
プロセスチーズ | 91 |
里イモ | 84 |
ジャガイモ | 68 |
精白米 | 65 |
みかん | 50 |
トマト | 48 |
最新のタンパク質の指標
食品 | DIAAS | PDCAAS | |
---|---|---|---|
鶏卵 | 卵 | 1.15 | 1.00 |
乳 | 牛乳 | 1.15 | 1.00 |
WPC (ホエータンパク質) |
1.09 | 1.00 | |
カゼイン | - | 1.00 | |
MPC (全乳タンパク質) |
1.18 | 1.00 | |
植物タンパク質 | 大豆タンパク質 | 0.91 | 0.99 |
小麦タンパク質 | 0.38 | 0.25 | |
エンドウ豆タンパク質 | 0.82 | 0.89 | |
肉 | 牛肉 | 1.12 | 0.92 |
豚肉 | 1.14 | - | |
鶏肉 | 1.08 | - | |
コラーゲン分解物 | 0.00 | 0.00 | |
他 | アーモンド | 0.40 | 0.39 |
豆腐 | 0.52 | 0.56 | |
炊飯米 | 0.59 | 0.62 |
一日に必要なタンパク質量
厚生労働省から発表されている日本人の食事摂取基準2015によると、一日に必要なタンパク質量は成人男性60g、成人女性50g以上とされています。実際に日本人のタンパク摂取量は、足りているのでしょうか?実は、日本人は一日に平均77.8gのタンパク質を摂取できており、統計上、タンパク質は不足していないことが判ります。ただ、量さえ摂っておけばよいというものではなく、タンパク質は一度に過剰摂取をすると肝臓や腎臓に負担がかかったり、筋タンパク質の合成にうまく使われないことから、一回の食事で20~30g程度ずつ、タンパク質を分けて摂取することが重要です。
しかしながら、現代人は生活環境の変化や共働き家庭の増加など、朝食抜きまたは簡素化が増加していることを考えると、特に朝食で20~30gのタンパク質を摂取できている方は少ないのではないでしょうか?朝食にたまごを一個食べるだけで、約7gものタンパク質を補うことができます。
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(2019年3月)
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