乳化剤講座
基礎講座
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【第1回】乳化と乳化剤
皆さんご存知の通り水と油は混ざりません。しかし世の中には牛乳やマーガリンと言った、水と油の様に本来混ざり合わないもの同士が混ざりあった製品が数多く出回っています。では、どうして混ざり合っているのでしょうか?それは乳化してい
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【第2回】乳化剤の構造と特性
乳化剤の分子は、水などに溶けやすい親水基部分と、油などに溶けやすい親油基部分を持っています。
そのために水にも油にもなじみやすいという性質があり、親水基部分は水相に、親油基部分は油相に混ざろうとするため、乳化剤は界面に作用するのです。 -
【第3回】乳化剤の基本的性質
乳化剤分子のもつ特徴の一つに、分子同士が集まりミセルという集合体を形成するというものがあります。乳化剤を水に溶かしていくと、希薄な状態では、水中に単分散していますが、濃度を次第に上げていくと、水と空気の界面に吸着していきます。
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【第4回】乳化剤の機能と用途
乳化剤は界面に作用するという特性を生かして、乳化目的以外にも多くの用途に使われます。それらをまとめると下記のようになります。
乳化剤のもっとも基本的な用途で、水と油が親和し、混ざり合った状態をつくりだします。通常、O/W型乳化には親水性乳化剤、W/O型乳化には親油性乳化剤が適していま -
【第5回】乳化剤の使用方法
乳化剤は界面活性能のほかに食品の構成要素である、デンプン、油脂、タンパク質などに作用し改質する機能があります。それらをまとめると下記のようになります。
焼きたてのパンや炊き立てのご飯は美味しいですが、冷めると不味いというにはデンプンの老化が影響しています。生デンプンは結晶構造を持ち、βデンプンと呼ばれますが、加熱膨潤すると -
【第6回】乳化剤の新機能?油脂を「固める」効果
乳化剤は「乳化」だけでなく、様々な機能があることをご紹介しておりますが、太陽化学では乳化剤の特徴的な機能の一つである油脂の増粘及び固化を付与できる製品としてTAISETを上市しています。
TASETの油脂固化作用は、油脂中に溶解したTAISETが低温で再結晶化する事に起因し、その網目構造の中に液状油脂が包括される事により、油脂の固体化現象が発現するものと考えられます。
上級編
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【上級編第1回】HLB値の利用方法
乳化剤はその名の示す「乳化」に使用されることはもちろんですが、その他にも分散、起泡、消泡、湿潤、油脂・デンプン・タンパク質の改質の目的で広く加工食品に利用されています。そんな乳化剤ですが、食品開発に携わる方にとっては、その汎用性にも関わらず、使いこなしが難しいものと考えられがちです。
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【上級編第2回】乳化剤の種類・用途/使用温度における注意点
乳化剤は、使いこなしが難しいと捉えられがちです。それは、乳化剤の種類が多く選択の基準が分からない、また乳化剤の組み合わせで効果が変わることもあり、組み合わせの最適解を求めるのが難しい・・・などの理由からではないでしょうか?
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【上級編第3回】ポリグリセリン脂肪酸エステルとは?/共存物質が乳化系に及ぼす影響
乳化剤の選び方や使い方に関し、みなさんに少しでも解決のヒント、情報として頂けるよう、「もう一度学ぶ乳化剤」と題し記事を配信して参りました。今回は最終となる3回目です。前回は、蒸留固体モノグリセリドの使用において使用温度に留意しない
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【特別編】乳化剤の効果を動画で見てみよう!
様々な機能を持つ乳化剤、その効果を動画で分かり易くまとめています。
界面のおはなし
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界面のおはなし①「ビールはなぜ泡立つ?クリーミーな泡の理由はホップの成分」
ビールの特徴といえば何といってもあの泡、液と泡のキレイな比率でビールを楽しむための“上手な注ぎ方”の指南はあちこちでよく聞くものです。専門店などで注いでもらうグラスビールの美しく滑らかな泡は自宅で再現するには難しいものかもしれません。
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界面のおはなし②「進化するクレンジングオイル。濡れた手でもすっきりメイクを落とせる理由」
女性であれば多くの方が使用しているであろうクレンジング剤、「肌に優しい」「使用感が良い」「とにかくメイクがしっかり落ちる」など、自分のニーズに合ったクレンジングを使っている方もいれば、「色々な製品があるけど実はあまり違いがわからないで使っている…」なんて人もいるかもしれません。これからは男性も化粧をする人が増えてクレンジング剤を使う人も増えるかも?
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界面のおはなし③「「パラパラ」の炒飯を作るには・・・たまごのキノウが効いている!」
「本格的なおいしい炒飯といえばどんな炒飯?」と問えば多くの人が「パラパラの炒飯!」と答えるのではないでしょうか。ところが、お店で食べるあのおいしさを家庭で再現しようとすると、難しいことがわかります。よくあるのは、炒めているうちにご飯粒同士がべたべたとくっついてしまってダマのようになってしまう失敗です。
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界界面のおはなし④「チョコレートと化学工業製品の意外な共通点とは?」
チョコレートと化学工業製品。固形になること、工場で製造できること…、ほとんどこれといった共通項の見当たらないこの二者、実は“界面”の世界から見ると、うっすらとつながりが見えてきます。それは、界面活性剤が私たちの生活におけるこれら製品の活躍に一役買っている、ということです。一体どのように界面活性剤が関わっているのでしょうか?