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おいしさを支える研究と技術 おいしさを支える研究と技術 おいしさを支える研究と技術

一問一答!フライ食品お悩み相談室

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天ぷら、コロッケ、豚カツなどのフライ食品は、「揚げたて」が最もおいしいと万人が感じます。冷凍食品やチルド惣菜の形態で提供されるフライ食品は、レンジで再加熱するなど簡便に食べることができますが、揚げたてとは異なる特徴の一つに「油っぽさ」があります。
揚げたてのおいしさに近づくように油っぽさの改善に取り組まれているお客様から多く寄せられたお声を、一問一答形式でご紹介いたします。

Q-1 フライ工程で、フライ油の吸収量が変わる原因は?

Ans. フライ調理中にフライ油が衣に進入し、衣や中だねに含まれる水分が蒸発します。その油と水の出入りは、衣や中だねの成分の違いやフライ温度・時間によって変わり、そのバランスによって油の吸収量が変わります。肉や魚介や野菜など中だねの種類が変わるとフライ調理条件が変わるのも、中だねに火が通った「揚げたて」時に最もおいしい水分と油分のバランスになるように工夫されているためと思われます。

Q-2 フライ食品のフライ油の吸収量を下げる方法は?

Ans. 吸油量を減らすには、「水分を残す」「フライ油を吸いにくくする」「水と油の交換バランスを変える」の3つの方法が考えられます。バッター液の粘度を上げて衣に水分を多く残す手法は、吸油量は減りますがベタベタしておいしいものではありません。不溶性の原材料(繊維質やたん白質)を配合するなどしてフライ油を吸いにくくする手法もありますが、こちらも衣が固くゴワゴワしておいしいものではありません。おいしさを損なわず吸油量を減らすには、「水分蒸発速度を上げ、油の吸収速度を下げる」つまり、水と油の交換バランスを変えることが好ましいと考えられます。

Q-3 メンソフトALはどうして吸油抑制できるのですか?

Ans. メンソフトAL(アルギン酸加工品)は、下図1に示すように、水分蒸発速度を上げ、油の吸収速度を下げる、水と油の交換バランスを変える機能を持っています。この機能はアルギン酸の増粘効果ではなく、アルギン酸粉末の粒子サイズの調整(PF加工技術)により生じる機能です。粉末粒子がグルテンのネットワークを油の吸収しにくい構造へ変化させ、加熱によるでんぷん粒の崩壊を抑制することで、水と油の交換バランスが変わると考えられます。そのため、下図2に示すように、グァーガムなど他素材で調整した同粘度のバッターと比べて吸油量が抑制されており、その効果はフライ食品全般で発揮されると考えられます。

Q-3 メンソフトALはどうして吸油抑制できるのですか?
Q-3 メンソフトALはどうして吸油抑制できるのですか?

Q-4 メンソフトALの参考レシピはありますか?

Ans. 下表が太陽化学で試験した結果です。メンソフトALをフライ食品へ利用した場合の吸油抑制効果と、それに伴うカロリーの減少量およびフライ食品の食感です。メンソフトALを使用することで、吸油を抑制させると共に食感を向上させることができると考えております。

添加量 吸油減 カロリー減 弾食感
フライ麺 対粉0.2% -5.5% -5% 弾力感ある歯ごたえ
かきあげ 天ぷら粉0.3% -7.5% -12% 油くどくなく、サクサク
コロッケ バッター粉に0.5% -5.3% -10% 油くどくなく、サクサク
ドーナツ 対粉0.5% -4.3% -5% ふんわりと軽い
Q-4 メンソフトALの参考レシピはありますか?

左の写真は色素混合油でフライしたドーナツの断面の吸油量の比較で、色素で染まった面積は、無添加:68.8%、AL使用:53.1%で、フライ油の内部へ侵入を抑制していることを示しています。

Q-5 フライ食品の油くどさは、フライ油の吸収量だけが原因ですか?

Ans. 同じ吸油量であっても、フライを繰り返した油に特有のフライ油臭が強いと「油くどい」と感じると考えられます。同様にレンジ加熱やその保管時においても油くささが強くなり、フライ食品の「揚げたて」のおいしさが損なわれます。また、保管等によって揚げたての衣のサクサク感が低下した場合にも、油くどさが感じられます。

Q-6 油くどさ低減に他のお勧めの素材はありますか?

Ans1. フライを繰り返した油に特有のフライ油臭などの油くささの低減には、クックファインF(全卵粉末加工品)がおすすめです。クックファインFは過酸化物価(PV)および酸価(AV)などの油の劣化指標となる値が上昇する前の油くささをマスキングします。長期保管する油揚げ即席麺や、レンジ再加熱するフライ類におすすめです。

Q-6 油くどさ低減に他のお勧めの素材はありますか?

Ans2. 冷凍フライ食品の唐揚げなどの衣にたん白素材を使用して固さを付与する場合、たん白素材の保水性によりサクサク感が損なわれてしまうことがありますが、サンソフトQ-185SPを併用すると、サクサクした衣に仕上がります。サクサク感の維持により、油くどさを感じにくくなります。特に天ぷらバッターにサンソフトQ-185SPを添加した場合、右の写真のように衣の花散り性が増し、外観上も高級感のある天ぷらに仕上がります。

上記以外のご質問にも誠実にお答えします。ぜひ太陽化学にお問合せ下さい。

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