素材の機能を最大化!PF加工の可能性
太陽化学独自の加工技術であるPF(パーティカルフュージョン)加工、何かを加えることなく製造時の加工方法だけで、粉末素材の持つ機能を最大化する加工技術です。PF加工を行った粉末素材の高機能性は製菓・製パン・製麺にて広く認められています。
PF加工とは
パーティカルフュージョン(PF加工)とは異なる特性や 粒子形状を持つ粉末を融合させる粉末加工技術で、従来 の粉末混合では得られない新たな特性を有する新素材を 作ることができます。PF加工は、同じ素材同士でも、2 種類以上の違う素材同士でも製造可能な技術です。 PF加工によって造られた粉末原料は、新しい品質改良剤 としてさまざまな食品に対して新しい効果を発揮します。天然物由来の粉末はミクロのレベルで見ると全ての粒子が均一な大きさではありません。大きな粒子の表面を小さな粒子がコーティングするような加工をします。
この効果は「粉末卵」「増粘安定剤」などの小麦粉製品などに改質効果のある改質剤では特に効果が顕著に現れます。
粉体原料をPF加工すると?
以下のような特徴があります。
- 流動性が向上
粒子同士の凝集が少なく、小麦粉や澱粉などへ混合性が向上しております - 水への溶解性が向上
冷水へ溶解する場合にも、継子になりにくく溶解性が向上します
例えば、粉末原料で継子になり易い「卵黄粉末」でも、PF加工により流動性が向上します。
製麺やプレミックス粉の製造の際に課題になることが多い「混合性」ですが、そもそも粒子や物性の異なる小麦粉と卵黄粉末を均一に混合することは非常に困難です。小麦粉と卵黄粉末を混合する場合、図の上段からわかるように凝集があるゆえに混合しづらい状態となります。PF加工により粉末の凝集が抑制されると、均一に混合しやすくなります(図の下段)。
各種アプリケーションへの効果
サンキララ21という卵白粉末のPF加工品を例にとり、製麺への効果の概要をご紹介します。
麺の断面モデルからわかるように、茹であがった麺は、外側は含有される水分が多く、内側は含有される水分が少ない状態です。この状態から内側の水分含有量が上がっていくことにより、「麺が伸びる」現象が起こります。サンキララ21は小麦粉との混ざりやすさが向上していることから、製麺終了時の生地の均一性が高くなります。均一性が高くなることにより、麺の表面は「滑らかさ」が向上し、さらに組織が密になっていることから、麺内部への水分の浸透が抑制され『麺の伸び』が抑制されてコシのある状態が持続します。
この事例では、卵白がもともと持つ特性である「ゲル化」の機能をPF加工により発揮しやすくしたことが主な品位向上の理由です。このように、混合性が向上することにより最終的なアプリケーションの品位向上に繋がるため、製麺分野のみならず製菓製パン分野でも広くお使い頂いております。