アムラと太陽化学
次世代スーパーフルーツ「アムラ」
“アサイー”のブームをきっかけに近年注目されているスーパーフルーツ。ビタミンやミネラルの他、特にポリフェノールなどの抗酸化成分を豊富に含むフルーツがスーパーフルーツと呼ばれています。その抗酸化作用の高さから、老化防止やアンチエイジング、健康効果が期待され、美意識や健康意識の高い人たちが愛用していると話題になっています。
アサイーが定着した今、様々なスーパーフルーツがポスト“アサイー”として名乗りを上げています。その中でも、美容やアンチエイジングにぴったりの素材として注目されつつあるスーパーフルーツ、それが「アムラ」です。日本ではまだ馴染みがありませんが、アーユルヴェーダ発祥の地、インドでは、古くから健康によい果実として日常的に食されていて、美容と健康に関する様々な機能があることが知られており、研究も進んでいます。太陽化学はいち早くこのスーパーフルーツに目をつけ、研究を進めてきました。
「アムラ」はアーユルヴェーダの若返り果実!
スーパーフルーツには南米原産のものが多いですが、アムラはインドや東南アジアに分布しています。3~4㎝の球形で、収穫時は宝石のような透明感のある薄い黄緑色の果実です。生のまま食べると、強烈な酸っぱさの中に苦みと渋みがあります。収穫時期である9~12月には、背の高い木に鈴なりに実をつけます。
インドでは、世界最古の伝承医学であるアーユルヴェーダの中で、アムラは家庭薬として古くから日常的に利用されてきました。アーユルヴェーダでは、生命エネルギー(ドーシャ)は、火(ピッタ)、風(ヴァータ)、水(カパ)の3要素で成り立っており、そのバランスが崩れると健康を損なうと考えられています。アムラは、ドーシャのバランスを保つためにもっとも優れたハーブのひとつとされていて、アムラという名はヒンドゥ語で、語源に”看護師“という意味を持ちます。このように、アムラはアーユルヴェーダの中でも特別な存在なのです。
インドでは、主にピクルスや調味料であるチャツネ、糖漬け食品、あるいはチャワンプラシュと呼ばれるペースト状のジャムとして食べられています。チャワンプラシュとは、何種類もの薬草が配合されたミックスジャムで、免疫力、滋養強壮・記憶力の向上、健康長寿のために古くから利用されてきました。その主原料となるのがアムラです。インドでは伝統的な健康食品として今でもスーパーなどで販売されています。
チャワンプラシュにはインド神話の若返り伝説があります。長年、瞑想に全身全霊を傾け続けたある若い聖者が、長期にわたる過酷な修行によって体力を非常に消耗してしまい、まだ若いのに老人のようになってしまいました。 医術に長けた神のアシュヴィン双神が、チャワンプラシュをこの聖者に食べさせたところ、元通りの元気な若者に戻りました。その後、聖者は結婚し、子供にも恵まれて幸せに過ごしたそうです。
インドのアムラは日本でいうと○○
「毎日ひと粒食べれば、病気にならない」と言われるアムラは、昔から家庭で欠かすことのできない果実であり、収穫時期には各家庭で果実から漬物を作る、といった使われ方をしています。これって、日本人の私たちになじみのある、ある果物と似ていると思いませんか?
そう、それは梅です。「梅はその日の難逃れ」という言葉があるように、日本人にとって梅、とくに梅干しは昔から健康に欠かせない食材として親しまれてきました。インド人にとってのアムラは、まさに日本での梅のような使われ方をしているのです。インドでのアムラの生産量は年間約25万トンといわれており、日本の梅の生産量年間約2万2000トンの約10倍です。インドの人口も日本の約10倍ですので、人口あたりの生産量もちょうど梅と同じくらいということになります。日本人にとってはまだまだ知られていないアムラですが、インドではとても身近な果実であることがわかりますね。
魅力いっぱいの「アムラ」
アムラは古代から万能果実として重宝されてきましたが、近年の医学や栄養学に関する技術が進んだことにより、様々な研究が行われ、その有効性が確認されつつあります。その成分の特徴は、多量のポリフェノールとビタミンCを含有していることです。アムラ果汁100g中には、それぞれ3000mg(赤ワインの30倍)および500mg(レモンの10倍量)が含まれています。さらにポリフェノール中には加水分解性のタンニンであるエラジタンニン類や、有機酸ガレート類が多く含まれていることが確認されています。このように様々な成分が含まれている結果なのか、美容やアンチエイジングに関しては抗酸化作用や抗糖化作用、健康に関しては脂質やコレステロール、血管機能の改善を示唆する研究結果が報告されています。